今日は、再び LaTeX の小ネタです。
繁分数のかっこ
まずはこちらをご覧いただこう。
繁分数に対してかっこを付けた数式である。 上下のバランスがいかにも悪く、分子がスカスカになってしまっている。
これをもう少しマシになるように書き直したのが以下である。
もしもレポートでここまでバランスの取れた数式が組まれていたら、教授に「こいつ……できる!」と思ってもらえるかも知れない(もしくは、こんなしょうもない事に拘る暇があるなら論文のひとつも読めと呆れられるかも知れない)。
行列を揃える
続いては、線型代数でよく見る式である。
これはこれで悪くは無いのだが、せっかく行の数が全て同じなので、各行がきれいに横並びになるよう高さを揃えたいと思うのが人情というものであろう。
そこで、それぞれの行の高さの足りないところに\vphantom
を挿入して、一番高さのある要素に揃えると心なしか見やすくなる。
さて、これで高さは揃ったが、1箇所まずいところがある。 右辺の2行目の要素に注目されたい。
──お分かり頂けただろうか。 要素の先頭に\vphantom
を噛ませたことで、後に続くマイナス記号が単項演算子ではなく二項演算子と見なされてしまい、不自然な空白が空いてしまったのだ。
これを改善するには、以下のように波括弧で要素をくくるとよい。 マイナス記号が正しく単項演算子として処理されるので、不自然な空白が空くこともない。
おまけ
対角行列を表す場合、ゼロ要素を巨大な で表すことがある。
意外とこれを巧く組むにはコツが要るので、さりげなくレポートにこういう凝った数式を載せると、教授に「こいつ……できる!」と思ってもらえるかも知れない(もしくは、こんなしょうもない事に拘る暇があるなら論文のひとつも読めと呆れられるかも知れない)。