英語と仲直りがしたいのですが #エピソード8

第8話 ── 同格の that

しばらく that の話が続いたので、今回も紛らわしい that の話。

まーた英語回か(・ω・ lll)

たまには数学とか理科とかやりたい……。

まぁまぁ。 さっそく軽く肩慣らしといこう。

All living things are composed of cells that contain a substance called DNA.

訳: すべての生物は DNA と呼ばれる物質を含む細胞で構成されている。

これは毎度おなじみ関係代名詞の文だね。

ちゃんと{名詞 〈関係詞 (S +) V〉}というカタチになっている。

そうだね。

that 以下はひとつの形容詞として、直前の名詞(先行詞)を修飾している。

なるほど解ってきたぞ……!

では、続いてこちらを見てください。

There was a myth that Japanese financial institutions would not go bankrupt.

訳: 日本の金融機関は潰れないという神話があった。

これも、関係代名詞の文?

残念ながら違うんだなぁコレが。

非常に紛らわしいんだけど、こっちの that は関係詞じゃないんだ。

一体さっきと何が違うの……。

よく見ると、that 節の中の構造が違うんだよ。

同格の that

最初の文は、that 節の中に「名詞の穴」が空いている。

こんなふうに。

All living things are composed of cells that 名詞の穴 contain a substance called DNA.

なるほど、確かに that 節は主語にあたる名詞がなくて、まるで穴が空いたように不完全な文になってるね。

一方で、2つ目の例文は、that 節のどこにも名詞の穴は見当たらない

There was a myth that Japanese financial institutions would not go bankrupt.

ホントだ。

こっちは欠けてる名詞がなさそう。

この that 節はね、直前にある抽象名詞を具体的に言い換える名詞節で、名詞が2つ並ぶように見えることから「同格の that」と呼ばれているんだ。

抽象名詞??

抽象名詞とは、「考え」「認識」「概念」みたいな系統の名詞(fact, idea, news, rumor, view など)。
同格の that は、抽象名詞の後ろにしか続かない。
ポイント

同格の that は、特定の抽象名詞にしかくっつかないので、文法書には代表的な抽象名詞の一覧が載っていたりするよ。

まーた覚える系か……。

とはいえ、ボクも myth の後ろに同格の that が続く例は初めて見た。

(たぶん、どうしても myth という単語を収録したかったんだと思う……知らんけど)

同格の that であれば、〈that S + V〉とその前にある名詞の間でイコールの関係が成り立つ。
日本語に訳すときは「〈S が V するという〉+ 名詞」という意味になる。
ポイント

抽象名詞 イコール〈that S + V〉になる、ということか。

関係代名詞とは文法上別モノなので、区別がついていないような訳し方をすると高確率で減点されるよ。

えぇ……。

There was a myth that Japanese financial institutions would not go bankrupt.

訳: 日本の金融機関は潰れないという神話があった。

こんなの、日本語に訳した時点で形容詞節と見分けがつかないじゃん……。

雰囲気的にも関係代名詞とあんまり変わらないし……。

まぁそこは、「わかってます感」が採点者に伝わればよいのかなぁと。

同格のthatの場合、「○○という××」という典型的な和訳の型があるので──。

ふむー……なんか受験英語っぽいね。

正直そこまで厳密な区別が必要なのか、ちょっとモヤモヤする。。。

とはいえ、単に英文の意味を取るだけなら、

「(そこには)神話があってぇ……、(それはどんな神話かというと)日本の金融は潰れないという神話でぇ……」

みたいに読んでいけば、とりあえず何を言わんとしているかは分かるね。

そうだね。

(……やばいな、ここちょっとニガテかも)

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